課題図書のあらすじだけ渡して読書感想文は書ける?AIで試してみた

課題図書の読書感想文をAIで試してみた AIライティング術

夏休みの宿題で配られる「課題図書」。指定された本を読まなければいけないけれど、正直まだ読み終わっていない――そんな状況で「せめてあらすじだけAIに読ませて、感想文を書くヒントをもらえないか」と考えたことはありませんか。

今回は、実際にその方法を試してみました。結論を先に言うと、「あらすじだけ」では思っていたよりずっと不十分でした。何が足りなかったのか、時系列で報告します。

この記事では、以下の3点が分かります。

  • 課題図書のあらすじだけを渡してAIに感想文を書かせた結果
  • 「あらすじだけ」で足りない決定的な部分
  • 本を読みながら使う、現実的なAI活用の手順

まずやってみたこと:あらすじだけを渡す

今回課題図書に指定されていたのは、ある家族の再生を描いた小説でした。時間がなかったので、まずはネット上のあらすじ紹介サイトの文章をコピーし、Claudeに次のように頼んでみました。

以下は、ある本のあらすじです。このあらすじをもとに、読書感想文を800字で書いてください。
あらすじ:〇〇(あらすじサイトの文章)

出てきた文章は、文法的には整っていて、一見それらしい感想文になっていました。しかし読み返してみると、「主人公の成長が印象的だった」「家族の絆の大切さを感じた」といった、どの本にでも当てはまりそうな一般論ばかりが並んでいました。

マスコットキャラクターしおり


文章としては整ってるのに、なんだかどの本の感想か分からない……しおりも読み返して首をかしげちゃったよ。

足りなかったもの:「場面」と「言葉」

あらすじだけの感想文を読み返して分かったのは、決定的に「具体的な場面」が抜けているということでした。あらすじは物語の骨組みを伝えるものであって、実際にどんな場面で、どんなセリフが交わされ、どんな空気だったかまでは書かれていません。

読書感想文で評価されやすいのは、まさにこの「具体的な場面」への反応です。「主人公が涙をこらえながら父に電話をかけた場面で、私も苦しくなった」というような一文は、あらすじだけでは絶対に出てきません。実際に本文を読んで、心に引っかかった場面がないと、感想文の核になる部分が空っぽのままなのです。

次に試したこと:最初の3章だけ読んでAIに相談する

そこで方針を変え、時間はなくても本の最初の3章だけは実際に読み、その中で印象に残った場面をメモしてから、改めてAIに相談することにしました。

本の最初の3章を読んで、印象に残った場面が2つあります。この2つをもとに、読書感想文の構成案を作ってください。
場面1:主人公が父親と口論するシーン。父親の”仕事ばかりで家族を見ていない”という発言に、主人公が言い返せず黙り込む場面。
場面2:主人公が一人で夕食を食べながら、父親の言葉を思い出すシーン。

この指示だと、AIは「なぜ主人公は言い返せなかったのか」「一人の夕食のシーンが何を象徴しているか」など、具体的な場面をもとにした構成案を提示してくれました。あらすじだけを渡したときとは、深さがまったく違いました。

マスコットキャラクターしおり


全部読まなくても、3章分の場面メモだけでこんなに変わるんだね。しおりも驚いたよ。

現実的な進め方:全部読めなくても「感想の材料」は自分で作る

今回の経験から見えてきたのは、課題図書のように読了が前提の宿題では、「あらすじで代用する」のではなく「読んだ範囲の場面メモを材料にする」のが現実的な進め方だということです。手順としては次の通りです。

  • ①読みながら、心が動いた場面を2〜3個メモする:ページ番号と、何が印象的だったかを一言でいいのでメモしておきます。
  • ②残りは、目次や章タイトルから展開を把握する:全部を精読できなくても、目次から大まかな流れをつかんでおきます。
  • ③場面メモと大まかな流れをAIに渡し、構成案を作ってもらう:具体的な場面がある部分は厚く、それ以外は簡潔に触れる構成にすると自然です。

時間がないときほど「全部読めないから諦める」のではなく、「読めた部分の質を上げる」方向に切り替えるのが結果的に早道でした。

特に②の「目次から展開を把握する」は見落とされがちですが効果的です。多くの本は目次や章タイトルだけでも大まかな起伏が分かります。「主人公が試練にぶつかる章」「和解する章」といった見当をつけておくと、実際に読む場面を選ぶ精度も上がりますし、AIに構成案を相談するときにも「後半でこういう展開があるはず」という前提を伝えられるようになります。

うまくいかなかったケース:メモが曖昧すぎた1回目

実は、場面メモを使う方法も、最初から成功したわけではありません。1回目に用意したメモは「主人公が父親と喧嘩する場面が印象的だった」というだけの、一言メモでした。

このメモをAIに渡しても、返ってきた構成案は結局あらすじの延長のような一般的な内容にとどまりました。理由は、メモに「なぜ印象的だったか」「自分がどう感じたか」が含まれていなかったからです。場面メモは、出来事だけでなく「自分がどう感じたか」まで一言添えることで、初めてAIが具体的な感想の材料として使えることが分かりました。

よくある質問

Q. 課題図書を1冊も読まずに感想文を書くことはできますか?

今回の検証では難しいという結論になりました。あらすじだけでは具体的な場面が抜け落ち、一般論の域を出ない文章になってしまいます。最低限、印象に残る場面がいくつか拾える程度には読むことをおすすめします。

Q. 時間がないとき、最低どのくらい読めば感想文が書けますか?

今回の経験では、最初の3章程度でも、印象に残る場面が2つあれば構成案は十分作れました。全体を読むのが理想ですが、時間がない場合は「心が動いた場面の数」を目安にするとよいでしょう。

Q. 課題図書の指定がある場合、感想文の書き方に決まりはありますか?

学校や自治体によって字数や様式が指定されている場合があります。配布されたプリントを確認し、指定がある場合はAIへの指示にもその条件(字数・構成など)を含めるようにしましょう。

Q. 場面メモはどのくらいの数を用意すればいいですか?

今回の検証では2つの場面でも十分な構成案ができました。欲を言えば3〜4個あると、感想文の中で「特に印象的だった場面」を選びやすくなり、文章に軽重をつけやすくなります。

実際にやってみて分かったこと

今回一番の発見は、「時間がないからあらすじで済ませよう」という近道が、結局は一番の遠回りだったということだった。あらすじだけで作った感想文を読み返して「これじゃダメだ」と気づき、結局本を開くところからやり直すことになった。最初から3章だけでも実際に読んで場面メモを取っていれば、もっと早く納得のいく感想文にたどり着けたはずだった。急がば回れとは、まさにこのことだと思う。

マスコットキャラクターしおり


急がば回れ。本を開くのが結局一番の近道だったんだね。

まとめ

  • あらすじだけを渡した感想文は、具体的な場面が抜けて一般論になりがち
  • 全部読めなくても、印象に残った場面を2〜3個メモすれば材料になる
  • 場面メモには「出来事」だけでなく「自分がどう感じたか」まで書くと精度が上がる

課題図書に追われているときこそ、あらすじで代用しようとせず、少しの時間でも本を開いて場面メモを取ることから始めてみてください。

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