小説を書くとき、意外と見落とされがちなのが「視点」です。視点とは、物語を誰の目線で語るかという設定のことです。同じストーリーでも、視点が変わると印象は大きく変わります。AIに小説を書かせるときも、視点を指定するかどうかで仕上がりの質が変わります。
この記事で分かること
- 一人称と三人称、それぞれの特徴と向いている物語
- AIに視点を正しく指定するプロンプトの書き方
- 「視点ブレ」を防ぎ、直すためのチェック方法
「視点」とは?物語の印象を決める土台
視点には大きく分けて2つの種類があります。「私」が語る一人称と、「彼・彼女」を外から描く三人称です。
一人称は、主人公の心の動きを深く描けるのが強みです。恋愛小説や青春小説など、感情が主役の物語に向いています。一方で、主人公が知らない出来事は書けないという制約があります。
三人称は、複数の登場人物や場面を自由に行き来できます。ミステリーや群像劇など、構造が複雑な物語に向いています。ただし、視点人物を決めずに書くと散漫な印象になりがちです。
AIに指定せず書かせると、途中で視点が混ざることがよくあります。だからこそ、最初のプロンプトで視点を決めておくことが大切です。
一人称で書かせるプロンプトのコツ
一人称で書かせるときは、「誰が」「どんな性格で」語るかを伝えます。語り手の口調まで指定すると、文体に個性が出ます。
高校2年生の女子・美咲の一人称で書いてください。少し皮肉屋だけれど、本当は寂しがりな性格です。心の中のツッコミを交えた、軽やかな語り口にしてください。
ポイントは3つです。語り手の属性、性格、口調をセットで渡すことです。これだけで、AIの文章は「その人の声」に近づきます。
さらに「地の文に本音、セリフに建前を出す」と加えるのも効果的です。一人称ならではの、内面と言葉のギャップが生まれます。
三人称で書かせるプロンプトのコツ
三人称で大切なのは、「三人称一元視点」を指定することです。これは、三人称でありながら特定の人物の内面だけを描く書き方です。プロの小説でもっとも多く使われる形式です。
三人称一元視点で書いてください。視点人物は刑事の田村です。田村の内面は描写してよいですが、他の人物の心の中は、表情や行動から推測できる範囲でのみ描いてください。
「他の人物の内面は書かない」と明示するのが最大のコツです。この一文がないと、AIは全員の心の中を説明してしまいます。全知視点と呼ばれるこの状態は、緊張感を損なう原因になります。
章ごとに視点人物を交代させたい場合は、「この章の視点人物は◯◯です」と章単位で指定しましょう。
「視点ブレ」を見つけて直すチェック法
視点ブレとは、視点人物が知りえない情報が地の文に出てしまうことです。たとえば一人称なのに「私の背後で彼は静かに微笑んだ」と書くのはブレです。背後の表情は、語り手には見えません。
チェックもAIに任せられます。書き上がった文章を貼り付けて、こう頼んでみてください。
この文章は美咲の一人称です。美咲が知りえない情報や、見えないはずの描写があれば、該当箇所と修正案を挙げてください。
実際に試すと、数千字の原稿から2〜3か所のブレを見つけてくれます。人間の目では気づきにくい部分なので、AIチェックとの相性は抜群です。
まとめ
- 視点は最初のプロンプトで指定する。迷ったら「三人称一元視点」が万能です
- 語り手の属性・性格・口調をセットで渡すと文体が安定します
- 書き上げたらAIに視点ブレのチェックまで任せましょう
まずは今日、書きかけの物語に「視点の指定」を1行足すところから始めてみてください。文章の安定感が目に見えて変わるはずです。
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