小説やエッセイをAIと書いていて、「風景の描写だけ、なんだか味気ない」と感じたことはありませんか。実は、プロンプトを少し工夫するだけで、AIの情景描写は見違えるほど生き生きとします。
この記事で分かることは、次の3点です。
- AIの情景描写が「説明文」になってしまう原因
- 五感と視点人物を指定する基本プロンプトの型
- 描写の密度をコントロールして読みやすくするコツ
なぜAIの情景描写は「説明文」になりやすいのか
AIに「森の描写を書いて」とだけ頼むと、どうなるでしょうか。「そこは緑豊かな森でした。木々が生い茂り、鳥のさえずりが聞こえます」。こんな文章が返ってきがちです。
間違ってはいませんが、どこか観光パンフレットのようですよね。原因はシンプルです。指示の中に「誰が、どんな気分で見ているか」の情報がないからです。
AIは条件が足りないとき、最も無難で平均的な文章を出します。つまり、描写の質はプロンプトで渡す条件の質で決まるのです。
コツ1・2:五感を指定し、使う感覚を絞る
最初のコツは、視覚以外の感覚を明示的に指定することです。人間は風景を目だけでなく、耳や肌でも感じています。
夜明け前の漁港の描写を書いてください。視覚だけでなく、潮の匂い、係留ロープのきしむ音、頬に当たる湿った風など、五感のうち3つ以上を使ってください。
2つ目のコツは、あえて使う感覚を絞ることです。「音だけで夜の学校を描写して」のように制限すると、AIは工夫を強いられます。結果として、ありきたりでない描写が生まれやすくなります。
コツ3・4:視点人物の「気分」というフィルターを通す
3つ目のコツは、風景を見ている人物の感情を指定することです。同じ夕焼けでも、恋が実った人と失恋した人では見え方が違います。
同じ商店街の夕方の風景を、2パターン描写してください。1つ目は仕事で大失敗した直後の会社員の視点、2つ目は初デートに向かう大学生の視点。感情という言葉は使わず、風景の切り取り方だけで気分を伝えてください。
ポイントは「感情という言葉を使わず」の一文です。これを入れると、「悲しかった」と書く代わりに、シャッターの閉まった店ばかりが目に入る、といった間接的な表現をAIが選ぶようになります。
4つ目のコツとして、視点人物の職業や過去を添えるのも有効です。植木職人なら街路樹の剪定の甘さに気づく、という具合に、描写に個性が宿ります。
コツ5:描写の密度は「3行ルール」で管理する
最後のコツは、長さの上限を決めることです。AIは放っておくと描写を延々と続け、物語のテンポを壊しがちです。
おすすめは「1つの場面の描写は3行まで。ただし物語の転換点だけは6行まで許可」というルールです。数字で指定すると、AIは驚くほど素直に従います。
大事な場面ほど厚く、移動シーンなどは薄く。この緩急こそが、読みやすい文章の正体です。
まとめ
今日のポイントを3つに絞ります。
- 五感を3つ以上指定するか、あえて1つに絞って描写させる
- 視点人物の気分や経歴をフィルターとして通す
- 行数の上限を数字で指定し、描写の緩急を作る
まずは手元の作品のワンシーンで、コツ1の五感プロンプトから試してみてください。1回の指示で、文章の温度が変わるのを実感できるはずです。
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